NPOハロハロ ほぼ月イチ メールマガジン『ハロハロ通信』


■ 2023年6月30日号 ■

子どもが健康に生きられる環境をつくる、それが私の使命 ● 援助の終わりに向かって

こんにちは!事務局の川原です。

日本もフィリピンのような30度近い夏日が増えて、日々水分補給など熱中症対策が必要ですね。フィリピンでは雨や嵐など雨季の不安定な天候に入ってきましたが、日本の8月の夏休み期間にフィリピン訪問を考えている方も多く、お問合せが増えています。訪問いただく期間だけでもお天気になりますように。

今回も活動の今をお届けします、ぜひご覧ください♪


●ハロハロな人●

子どもが健康に生きられる環境をつくる、それが私の使命

Jocelyn ジョセリン

・Hope Urban Poor Association(HUPA):Chairman ホープアーバンプアアソシエーション代表

・Purok leader ブロック(地区) リーダー 

・Riverside Chrisitian Alliance Church(RCAC):Womens Group President リバーサイドクリスチャン同盟教会女性グループ代表


衛生的で安全に暮らせる地域を目指し奮闘する中心に、ジョセリンの未来への強い意志があります。 

 

こんにちは!私はジョセリン、セブの南隣の市のドゥムログ村ホープ地域に、夫と5人の子どもたちと生活しています。私自身、生きることがとても辛い状況にありました。夫は土木関係の土砂販売をしており、最低賃金よりも低い収入です。以前まではどうやって収入を得るか、生活していくか、日々お金のことばかり考えて過ごしていました。そんな忙しさの中で、私は息子が病気であることに気づかず、最愛の子を失ってしまいました。

当時、この地域(不法滞在地域)はごみがいたるところに捨てられていて、多くの子どもたちが病気にかかっていました。そんなときに、ハロハロがこの地域でスタディツアーを行い、日本人と地域のごみ問題についての対話をしたことが、この現実に目を向けるきっかけになりました。できることから、ごみ拾い活動から始めてみよう、そうして地域の女性たちとホープマザーズ・グループを立ち上げる挑戦が始まったのです。

 

『自分だけ、今日だけ、ごみ拾いをしたって、またごみは他から流れてくるんだから、何も変わらないよ』、最初は地域の人々はみんなそう考えていて、協力的ではありませんでした。

そんな地域の人々に、定期的な清掃活動に参加してほしいと根気強く呼びかけることは大変でした。それでも、活動を続けている私や、賛同してくれるグループの女性たちの姿を見て、一人また一人と協力者が増えていきました。次第に捨てられるごみが減り、目に見えて道や地域全体がきれいになっていくので、地域の人々も清掃活動の大切さを実感し、清潔な環境を維持しようとするようになりました。

 

息子を失ってしまったことが私の原動力です。このグループでの環境啓発活動では、次の子どもたちに環境を大切にする思いと行動を示し、そして衛生的で健康な未来を手渡していく、それが私の使命なんだと思っています。

 

2015年から始まった活動も今年で8年目。今年4月に、ホープ・マザーズグループはホープ・アーバンプア・アソシエーションとして新しい出発をしています。地域のお母さんとして始まった活動が、地域の誰もがメンバーとして参加し、安心安全に生活できる環境整備を目指す市民活動グループへと変わりました。メンバー数も70名を超え、昨年の倍に増え、第2の挑戦が始まっています。



From Manila, handicraft project of Erap Mindset

● 援助の終わりに向かって ●

『支援慣れ』という言葉がありますが、よくも悪くも社会的経済的に脆弱な状況にある特定地域には、NGOや宗教関係など多くの団体の支援の手が集中することがあります。私たちハロハロのマニラ事業地は、まさに支援慣れから自立に向けた挑戦と戦い続けています。拠点をずらし、問いを重ね、じっくり取り組んだ10年。そして今、この2023年末が支援の終わりであることを住民グループに伝えました。

 

ごみ捨て場のふもとの子どもたちに就学前教育を届け続けるNGOパーララン・パンタオがハロハロのマニラ事業地協働団体です。パーラランとは学校、パンタオとは人々のためという意味で、人々のために学びの場を開くことが亡き創設者の熱い想いです。パーララン・パンタオはマニラ首都圏のごみの最終処分場として稼働していた元パヤタス・ダンプサイトに第1校舎があり、そして2000年に起きたごみ捨て場の崩落事故を機にその再居住区となったエラップ地域に第2校舎があります。私たちハロハロは活動開始当初はパヤタスで、その後両地域で、そして今はエラップ校の3階を週1の活動に借りて細々と取り組みを続けています。

 

ハロハロは『支援ではなく、シゴトの機会を』掲げ、品質がいいものを対等な対価で、個人の収入増よりグループとして地域社会に貢献するシゴトをすることを曲がりなりにも目指してきました。経済的に困窮状態にある人々にとって、そして周囲の支援団体は現物支給にあふれる中、難しいことを要求していると今も思います。私たちは生産工場を作りたいのではなく、どんな状況に生まれても、自分が地域社会に貢献する貴重な一員であることを実感できる活動の場を拓くことに挑戦しています。そんな思いはやはり理解されにくいですし、口ではそうだね、と言っても実現できるかは全く違うものです。

 

昨年マニラ事業地の手工芸グループ・エラップマインドセットに対して、『この活動をグループとして継続しますか?』という問いを投げました。そしてその8月、日本人スタッフ1名とセブのフィリピン人スタッフ1名が出張し女性たちの声を直接ヒアリングしました。回答は想定通りの「YES:グループとなって活動を続けたい」、「大切な収入源」「メンバーと一緒に作業できることが嬉しい」「実践しながら学べることが楽しい」など前向きでした。が、口で言うことと言えないこと、実現することは違うものです。実際1年経つ今も雑貨作りのプロセス化は進まず、注文した雑貨は半年以上発送されない、会計は担当したくない責任を負いたくない、そんな変わらない状況があります。そして、2023年初め、ハロハロは『今年が支援の最後』だと告げました。今までサポートしていた交通費、会議費、光熱費も、12月が最後だと伝えました。そうなって唯一進んだのはグループのルールづくりでした。今そのルールのもと、若いメンバーが一人二人と活動に参加し始めています。今年初めまで活動を続けてきたメンバー5人の平均年齢はなんと60歳。全員が夫を病気などで亡くしています。この雑貨作りは副収入の一つ、ふだんは洋裁やラグマットづくり、カレンダーづくりなどで細々と生活する女性たちです。ここに新メンバーが入ることで、責任転嫁問題が再燃するのか変化するのか、自立/成長の分析がハロハロの最後の役割だと感じています。

 

2018年に活動の拠点をエラップ地区に移して5年、今も2名はパヤタス地区からジープに30分揺られて通っています。エラップ地区メンバーがつけたグループ名は『エラップ・マインドセット』、自分たちは支援を待っているだけのパヤタス地区とは違うんだ、という含みがあります。この事業地はセブやボホール事業地と比較してもコミュニティ内に血縁関係者がおらず、多様な困難な背景を抱える人々が本当に寄り集まって形成されており、団結力/協調性には最初から大きな課題を抱えています。多様な人々が集まると「なんで?」と思うようなコミュニケーションのずれが日常茶飯事、同じグループのメンバー同士でも日々すれ違いが発生しているのですから、ハロハロとグループとのコミュニケーションがスムーズにいくわけは到底ありません。支援されて当然という状況をなくし、本当の意味で挑戦しないとできない状況に追い込んだとき何が起こるのか、ハロハロにとっても今年は大きな転換にあります。

来年にはこの活動はもう終わってしまうのかもしれません、ここまで一緒に歩んでくれた人々に一番にあるのは感謝です、そしてここまでの責任としてハロハロが最後に果たしたいのは10年の取り組みの評価/分析です。結局支援慣れからの挑戦は間違ったことばかりだったかもしれません、それでもともに歩んできた人々そして応援いただく皆さまにしっかりと成果を必ずお伝えしますので、お時間をいただきたくお願いします。

(文:成瀬悠)

 

 ■ 出展など 

各地の催事などに出展し、AngKyut・NINDOTのフェアトレード雑貨の展示販売や活動のご紹介をしています。

 

● 世界の貿易ゲームと、麻紐のミサンガづくり ●

日時:2023年8月7日(月)10:00-12:00 

場所:港区立生涯学習センター(最寄駅:新橋)

対象:港区内の小学校3〜6年生 30名 参加費:500円

 

● みなと区民まつり ●

日時:2023年10月7日(土)11:00-17:00、10月8日(日)10:00-16:00

場所:芝公園(御成門駅前の公園スペース)

フェアトレード雑貨バザー・活動紹介 


 

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 ◀︎【マニラとセブの女性の手仕事を、雑貨の購入で応援】

カラフルな廃材を活用したバッグやポーチのブランド:AngKyut

セブの自然素材が愛らしいアクセサリーブランド:Nindot

学園祭・バザー・お店などでの委託・卸販売、ノベルティの制作もお気軽にご相談下さい♬

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