学校に行きたくても家族のために働く子供達と
学校と勉強用具があるような恵まれた状況でも
勉強が嫌いな自分。
山奥のゴミが置いてある場所で住んでいる子供達を見てそのような自分が恥ずかしくなりました。
今すぐに変わることは出来なくても自分ができることを少しずつやっていきたいです。
わたしが滞在した村の人たちは日本では考えられないくらい家族や
地域の人たちとの密なコミュニケーションを持っていてその側面からの幸福度がとても高いように思えました。
日本のサラリーマンのように朝から晩まで仕事に明け暮れているとなかなかあのような密なコミュニケーションをとることはできないと思います。
仕事での生きがいやりがいと、身近の人たちとの密なコミュニケーションとは天秤の関係にあるのかもしれないと思いました。
わたし自身は、どちらかというと密なコミュニケーションよりも仕事の充実度を
追求したいタイプですが、わたしがフィリピンから帰ってきて最近よく考えるのは、仕事の充実度とやりがいを追求し、なおかつ周りの人たちとの密なコミュニケーションもとり両側面から最大の幸福を得ることができるものなのか、ということです。
わたし自身は先ほど述べたように仕事での充実度を優先したいタイプですが、
仕事は生活費を稼ぐための手段と割り切って仕事以外での部分で幸福を追求するタイプの生き方、自分と違う生き方のタイプも肯定したいと思うようになりました。(抜粋)
周りの目を気にせず幼い頃に戻って、一心不乱に子供達と遊びました。
自分自身、周囲と比べるとけして裕福な出身ではなく、経済的に不自由な思いをすることが多かった幼少期ですが、近所のお兄さんお姉さん、大人達が遊んでくれたことは、自分が大人になった今でも愛を感じ、自分に自信が持てる思い出となっています。(割愛)
村の女性達は、髪の毛をねじってカールをつけたり、日本人の目から見れば不自由な環境でも、可愛くおしゃれを楽しんでいました。
ステイ先の娘さんが、お母さんと一緒にGパンを細く縫い直してスキニーにし、それを履いて登校して行く様子は、同じ女性として心踊るものがあり、また、愛情を感じる光景でした。(抜粋)
凄まじい臭いだった。どれだけ経っても決して臭いに慣れるということはなかった。情報として、ごみ捨て場で暮らしている人々がいるということは知ってはいたが、現場に行ってみると改めて強烈な環境に驚く。こんな所で暮らしているとは。トラックでゴミがやってきて、そのゴミに群がる人たち。日本では考えられない光景だった。
日本でごみは焼却処分されるが、フィリピンでは焼却処分されない。なぜ焼却しないのかは、わからない。政府のやる気の問題なのか、技術の問題なのか、お金の問題なのかはわからない。ただ、政府に文句をいっても始まらない。少しでも環境をよくするために、できることをやっていかなければならない。行政とも粘り強く対話を重ねながら、現地でできることをやっていくことが大切だと感じた。(抜粋)
ホームステイ先の村は貧しい地域で、そこらじゅうにゴミが落ちていて異臭がし、地面はぬかるみ大きな水溜りがあり、まっすぐ歩ける平らな場所はありませんでした。おびただしい数のハエが飛んでいて食べ物にたかり、やせ細った野良犬や猫、様々な動物が村をうろうろしていました。トイレは紙がなく、便器の真横に水を入れた樽があり、そこから手桶で流したり、水浴びをしました。村の子どもたちとは追いかけっこや変顔をしたり、let it goを日本語で歌ったり、ppapやカンナムスタイルを踊ったりしました。「ありのままの」フレーズを子どもたちが覚えてくれたので、もしいつかこの子たちが日本に来られた時に、ふと思い出して噺のきっかけになってくれたらいいなと思いました。村の大人たちもみんな明るくおしゃべり好きで、いつも誰かが外に座っていたり、窓から顔を出してぼんやりしていたり、常に音楽が流れて賑やかで、孤独を感じませんでした。外から見ただけではわからない苦労もたくさんあるのでしょうが、現代の日本ではあまり見られない愛と活気を感じました。もし、語学力や技術がなくて行くのを悩んでいる方がいたら、ぜひ行って子どもたちと遊んでほしいです。(抜粋)
私はかねてより途上国に関心があり、観光よりも、より住民の生活や途上国の開発課題が見られるスタディーツアーに参加しました。今回のスタディーツアーで、途上国の発展には、外からの力だけではなく、内発的イニシアチブが重要であるということを肌で感じることができました。ツアーの目玉でもあるホームステイは言葉に表せないほど貴重な体験でした。こうしたNGOのつながりがなければ絶対に入る機会がないようなローカルなコミュニティーに4日間入ることができ、彼らの生活の一部を覗けたのが大変勉強になりました。また若くして子どもがいる二人の女性が、100ペソのフェアトレード商品の腕輪をもらって「ずっと買えなかったから嬉しい」ととても喜んでいるのを見た時は、100ペソの贅沢もできないという貧困の現実を垣間見ました。日本人の多くがセブと聞くとリゾートを想像すると思いますが、そうではないセブの生活の一部を見ることができて、短い時間ですが本当に有意義な時間を過ごさせていただきました。今回のスタディーツアーでの経験は、今後途上国の人が望んでいることは何なのかを考えて行くのに大変役に立つと感じています。(抜粋)
ダンプサイトはニュースでは知っていたものの、実際にその地域を訪れるとゴミの悪臭や集落の雰囲気が分かりマニラの中心とはまた違う地域であることを実感し、インタビューでは三種類の家を訪れ、その違いを感じることができました。子どもが家族を養っているという考えがあることや、教育が受けられず、職が得られないという負のスパイラルが生じてしまっているのだと感じました。タリサイ市のホームステイ地域のお母さんたちはパワフルな方が多く、辛い状況にあっても明るく今できることをしよう、という前向きな気持ちが多く伝わってきました。観光旅行とは違い、事前にスタディーツアーで何を学びたいかゴール設定を行い、毎日フィードバックをしたことで学んだことが印象深く頭に残っています。マニラのスタディーツアーでは、留学生やインターンシップをしている参加者に出会い、彼らとの会話と通じていろいろな生き方について考えることができました。ツアーでは、一期一会の出会いがあることも魅力の一つであると思います。(抜粋)
本ツアーの魅力の一つは少人数で濃い内容であること、参加毎に新しい発見があることだと思っています。自分が印象に残ったのは、ファミリーインタビューやホストファミリーとの交流等、現地での生の声を直接聞けたことです。日本でいつも同じ環境に囲まれているとついつい視野が狭くなってしまいますが、このツアーで出会うフィリピン人、日本人を含め様々な方と交流を持てるのでいつも新しい気づきを与えてくれます。(抜粋)
私は現在フィリピンの公立の高校で日本語を教えています。三日間セブのスクワッター地域に宿泊させてもらって感じたのは生活環境の悪さでした。同じフィリピンなのに慣れていた環境と違いショックでした。それでも子供たちは元気で明るく、地域のコミュニティーセンターにもなっている幼稚園の取り組みや、掃除の取り組みなどとても素晴らしいと思いました。しかし、子供たちは元気だし、人も明るく前向き、と美談にしておしまいにしてはいけないような気持ちを今回のツアーで持ちました。貧困と言われている層はフィリピンで三割。どのように関わるのか自分できちんと消化していこうと思います。今回ホストマザーが受け入れてくれた時に「あなたが時初めてなの、今までは旦那が理解してくれなかったけど、今回初めて理解してくれたのよ」という言葉に、外からの働きかけがなければ変わらなかった家庭環境の変化を感じられ、こういう風に意味があるんだなと実際に現地の人の言葉で聞けたのが印象に残っています。
(抜粋)
この六日間はどれも勉強になることばかりでした。フィリピンの今の状況、実際に行ってみないとわからないことなど多くの知識を得ることができました。このツアーに参加できたことは人生の中でも特別な経験となり今までの自分を見つめなおしこれからを考えていくきっかけになりました。行くまでのスラム街のイメージは『危ない』だったけど今は違います。行ってみなければわからなかった具体的な経済状況、地域の活動、そして地域の人々の明るさとやさしさすべてを知りイメージは変わりました。私の周りにはまだあまりよくわかってない人もいるので得られた知識を多くの人に伝えたいです。このような貴重な体験ができてほんとによかったです!ありがとうございました!!(抜粋)
家庭訪問と手工芸センターも体験させていただきました。想定とは異なり、インフラ部分 や生活レベルが比較的整っている感じを受けました。 家庭訪問は比較的生活レベルが安 定した家庭が選ばれているようですので、あくまで、ごく一部として理解しました。手工 芸センターも初期の設備投入支援がされていて、一定のインフラベースが整っている状態 で、主体的な継続した運営、活動を維持することが課題であるのかと理解し、地域のお母 さんたちの自助の力と主体的な行動に期待をしたいと思いました。最終日、マニラ・マカティーのユニカセで昼食をいただきました。 中村さんからは、ユ ニカセの活動についてプレゼンしていただきました。 その中で、支援⇒自立に向けたト レーニング・機会提供⇒自立へという、三段階のステージの考え方と、第二段階をユニカ セで実現したいとの思いを聞かせていただきました。 ともすると、我々は第一段階の支 援・援助に目が行くのですが、第二段階の重要性、必要性を再認識するとともに、それを 実現されているユニカセに何か感動を覚えました。このような、生き方もあるのかと改め て考えさせられました。(抜粋)
私が夕飯をホストの家で食べていると、沢山の幼稚園と小学校くらいの子供達が、自分の夕食を急いで済まして私が食べ終わるのを目の前でずっと待っていました。さらに一番驚いたのは、私がシャワーを浴びに行った時のことです。シャワーはトイレで水浴びをするという感じでした。私がシャワーを浴びに行こうとしたら 3 人の女の子たちが付いて来たので、私は、「シャワー浴びるから後で遊ぼうね。」と伝えました。そして 15 分くらいシャワーを浴びてトイレから出ると、ドアの目の前で彼女たちはずっと待っていたのです。わたしはそれがすごく嬉しくて、本当はその後洗濯をしようと思っていたのですが、すぐに荷物を置いて彼女たちと遊びました。私たちが訪ねた地域の方々は、1日1日を生きるのがサバイバルだと言っていました。しかし、辛い状況に置かれている時こそ笑うのがフィリピンの方々の特徴だそうです。そのことを実際に見て実感することができ、本当に素晴らしい人たちだなと思いました。(抜粋)
セブでは、ダンプサイト(ごみ捨て場)で生活をする人々の様子を拝見しました。一時 閉鎖されていたため、生活の場を失った方々が困り、再開を喜んだという話を伺い、胸が 詰まる思いでした。また3日間のホームステイでは、大変貴重な体験をさせていただきま した。ホストファミリーの方々の心の温かさに触れ、日本の生活とのギャップもすぐに無 くなりました。近所の方々も毎日大勢集まり、日本の生活について話したり写真を見せた りすると、とても興味を示されていて驚きました。一緒に生活をさせていただいたことで、 言葉が通じなくてもフィリピンの方々の思いが伝わってきて、たった3日間でもたくさん のことを教わりました。年上の子供達がリーダーとなって遊びを工夫し、年下の子供達を まとめて皆で楽しく遊んでいる姿も印象的でした。またコミュニティも素晴らしく、キャ プテンを中心に皆で話し合って様々なことを決め、ゴミを拾って住んでいる所をきれいに していこうとする団結力にも感心しました。家庭訪問をさせていただいたとき、気にかけ てもらえることが嬉しいので、どんな質問をしても大丈夫だと伺い、たくさんの質問をさ せていただき家庭の様子がよくわかりました。(抜粋)
実際に現地に行ってみて人と触れ合って一番強く感じたことは、住む国や 環境が違っていてもそこに住んでいる人の感じていることや考えていることは日本人のそれと 根本的には変わらないということです。家族のことを大切に思い、幸せに暮らしていくために 何をすれば良いか、など、本当に同じ人間として当然の感情。もちろん、日本での私たちのように無駄に物が溢れた生活を送っているわけではありませんでしたが、その分、本当に必要なことが分かっていて、それを実行していくためには何をすべきか、現地の方と手助けをする団 体がお互いに知恵を出し合い、全く妥協を許さず真剣にその先のことに目を向けていることが 伝わってきました。
また、身近に小さい子供がおらず、その世代の子たちとの接し方が分からなかったので不安がありました。訪問の目的としては子供たちに日本の文化を知ってもらい、楽しんでもらう ことであったのに、彼らは自分のように変に構えず、笑顔で受け入れてくれ、いつの間にかこちらが楽しませてもらっていたように思います。今回のツアーでは、現地の方々と接し、現在と将来のために行われている活動の様子を拝見することはできましたが、実際に現地で生活して現地の方々に寄り添って物事を見たわけではないので、まだまだ表面的な部分を見たに過ぎないと思います。それでも前回フィリピンに来たときとは少し違うフィリピンを感じることができたので参加してとても良かったと思っています。(抜粋)
実はスタディツアー参加は、これで 3 回目となりました。 フィリピンという国に興味をもって 4 年、これまで何度も訪れましたが、このスタディツアーでの 経験は一人で訪問したときには味わえないものです。今回は、初のマニラ事業地での参加でしたので、2 回目とは言え少し緊張気味での参加でしたが、始まってしまえば、思わず日本での生活を忘れてしますほど内容の濃い数日間でした。
毎回フィリピンを訪れる度に新しい発見があります。現代では、インターネットやテレビなど情報源はたくさんありますが、自分で訪れて、現地の人に話を聞くことで得られる経験や情報以上のものはないでしょう。 現地での生活や現状、抱える問題や解決の為の取り組み等、来て、見て、聞くことで、初めて全体像が 見えることも多いと思います。
またこのツアーでは現地で活動する人から、参加者まで様々な方との出会いがあります。 バックグラウンドの異なる人とじっくり話せる機会は以外にないもので、貴重な機会だと思います。今回特に印象に残っているは、以前から興味があった社会企業レストラン「ユニカセ」の代表中村さんから直接お話しが伺えたことです。とても熱いお話をされる方で、話しながら思いがひしひしと伝わってきました。 参加の度に新たに学んだこと、知ったことはたくさんありますが、それ以上に新たな疑問・興味がたくさん出てきます。今後はフィリピン国内の政治や制度に関してもっと勉強したいと思います。(抜粋)
私にとってこれが初めてのフィリピン旅行でした。それは本当に忘れることのできない素晴らしい旅になりました。
子供達がなんとか貧困から抜け出せるように、その最初の一歩となる為の学校 PAARALANG PANTAOの訪問。封建的なフィリピン社会において女性達に活動の場そして収入の機会を与える為のコミュニティ活動の視察と体験。小さな一部屋で生活していくのも大変、でも子供達の為に一生懸命に頑張るご夫婦にーお話を伺うこともできました。マニラに戻ってからは、貧困層の青年の為にレストランという場を通して活動されているユニカセの中村八千代さんからは、美味しいお料理ともに、フィリピンの現状と彼女のいだく将来の関する貴重なプレゼンテーションをしていただきました。ホームステイさせていただいたコミュニティにおいては、美化活動やゴミの問題に、地域の女性達が積極的に取り組んでおられました。漁師の方の船にものせていただき、より大きいエンジンを積むことにより、今までより遠くまで漁に出られるようになり漁獲高が上がったというお話を伺いました。どちらもハロハロの支援によるものですが、ボランティア活動によくある、与えるだけという支援ではなく、現地を理解しその必要を知り、変わるきっかけを与えてあげること、そして現地の方々と 一緒に進めていくという方法が、現地の方々の生活を変えるだけでなく自信を与え、生き生きとした生活につながっていくということを改めて感じました。(抜粋)
今回のツアーを通して、一番良かったのはやはり人との出会いです。自分にとって相手を支援するときの基 盤となるのは、まず相手に関心を持ちそしてその人間関係を深めていくことではないかと思っていますが、 今回のツアーはそれをまさに実現させるものでした。ホームステイ先の方々、子供たち、アクティビティで 出会った多くのの方たちからは本当に親切にしていただき、お別れ会の時は涙が止まりませんでした。フィリピンに行くのは2回目で、なんとなく生活もイメージできていたのですが、 ホームステイしたり現地のボランティアの方から話を聞いたりと、普通の旅行では体験できない臨場感のあるツアーでした。またコミュニティに参加して、地域の活動や問題について話し合ったり、ホームステイ先では3泊させていただき、現地の生活を体験しました。私がお世話になった家庭は、常にきれいにされていましたが、コミュニティではゴミの問題がなかなか改善されないという話でした。村には水道がなく、毎日井戸水で顔や体を洗い、トイレも4軒が共有していました。正直初日でギブアップかと思いましたが、ホストマザーやその近所の住民のおかげで、毎日楽しく過ごせました。 そして一番の思い出は、子どもたちの笑顔です。人なつっこく、いろいろなことに興味を持ち、きらきらした瞳が印象的でした。本当に毎日癒されました。今回現地で学んだことや、このご縁をこれからも大切にしていきたいと思います。(抜粋)
印象的だったことは、先にも述べたように、出会った人々が明るくて笑顔が絶えなかったことだ。日本に比べて地域の人間関係が密で、様々な年代の人とコミュニケーションをとる機会がコミュニティの中に多々あった。現地ボランティアとして付き添ってくれた高校生のジュンジュンや大学生のジェネリンが子ども達をまとめるのが上手で、大人に対しても物おじせず意見を言っていたことからその様子がうかがえた。また子どもたちも天真爛漫で、フィリピンの手遊びを教えてくれたり、散歩につきあったりしてくれて、知らず知らずのうちに緊張していた私の心をほぐしてくれた。
彼らの楽観さがでているなと思わずふふっと笑ってしまったのは、「貧困地域」と呼ばれる地区で、トイレよりもカラオケの普及率の方が高いかもしれないという話を聞いた時だ。確かにシティオホープでは、トイレは無いけれどカラオケの機器は持っているという家庭があった。セブでもマニラでも日が暮れると、どこからともなく歌声が聞こえてきた。それも一か所からではなく、至る所から結構な音量で聞こえた。大晦日の夜ともなると、シティオホープでは各々がカラオケ機とソファを家の外に出して、子どもも大人も好きなように歌って踊っていた。年明けと同時に上げる花火も自分たちで用意しているようで、四方八方で花火がドンドン上がるのものだから首を回すのに忙しかった。とても賑やかで楽しい年越しだった。
今回のスタディーツアーが自分にとって初めてのフィリピン訪問でしたが、普通の観光旅行では目を向けることがないリアルな現状をたくさん体験できたツアーだったと思います。都市の中心部から車でわずか数十分のところにゴミ捨て場やスラム街が存在し、そこは富裕層や観光客でにぎわう都市部とはかけ離れた光景でした。今回のツアーでは現地の人たちの話を実際に聞くことができ、彼らは衛生、教育、貧困など様々な社会問題の下で生きているのだということを学びました。特に印象的だったことは、インタビューで話を聞いた人たちの多くが、自分の子供が教育を受けて職に就けるようになることを第一に考えていたことです。貧困の中で生活する彼らにとっては子供たちの将来が何より重要な懸案事項であり、職に就くためには教育を受けることがどうしても必要になります。日本では当たり前のように感じる「教育を受ける」ということが彼らにとっては死活問題であり、精神的経済的に自立して生きていくために大切なことなのだと感じました。
私は現在大学でフェアトレードを広めることを目的としたクラブに所属しており、貧困について考えることがとても多くなりました。それに伴い、貧困について自分の目で確かめたいという思いからこのスタディツアーに参加することを決めました。その目的は果たすことが出来ました。これからこの経験をどう生かしていくかが自分自身の課題です。
私はフィリピンに3日間しか滞在しませんでしたが、たくさんのことを学ぶことが出来ました。まず最も驚いたこととしては、インフラ整備がおくれているということです。特に下水事情については大変衝撃でした。トイレットペーパーが流せないトイレ、お湯が出ないシャワーなど、日本で生活していると考えられないことです。今後、フィリピン経済が発展していく中で、生活や産業の基盤となるインフラが大きく発達していってほしいと思います。初日に行ったユニカセレストランでは、現地にフィリピンの貧困に携わり、活躍されている日本人の方がいるということがとても嬉しかったです。また、中村さんのプレゼンは、フィリピンと、フィリピンの子供たちについて多くの事を考えさせられました。
パタヤス地域で現地団体の代表の方やスタッフの方のお話を聴けたこと、子どもたちと交流したこと、家庭訪問をしてインタビューさせていただいたこと、フェアトレードの雑貨作り、全て大変貴重な体験になりました。特に、2つの団体で、「そこに住んでいる人たちが自分たちで活動や運営をしている」ところを見学させてもらえたのが、私にとって大きかったです。みなさんとてもフレンドリーに接してくださって、楽しく過ごさせてもらいました。
また、フェアトレードの雑貨作りでは、自分の手では全く形にならなかった材料が、次の日に完成したコインケースにして頂いたときにはそのビフォアアフターぶりに職人技を見ました。フェアトレード、考え方は間違っていないけど、経済的に厳しい今、実際には安いほうを選んでしまう人が多い。余裕のある富裕層向けだと思っていました。でもそのコインケースを手にして思いました。
「女性はかわいいものにはお金を出す」
ブランド化を進めておられるというお話をきいて納得しました。
この旅で一番感じたことは、物質的に貧しいことと不幸せであることは必ずしもイコールでない、ということです。考えてみれば、被支援国であった昔の日本人が全員不幸せであったわけはないと思うので当たり前のことですが、物質的に豊かでないと幸せではないという価値観が自分の中にあったということに気が付いたという点でも衝撃でした。
経験としてもたくさんのことを学びましたが、思い出としても多くのものを現地の人々からいただきました。育ってきた環境も言葉も違うけれど、同じ音楽を歌い合ったり、言葉を教え合ったり、自撮りし合ったり…同じ瞬間に笑い合えることが本当に幸せでした。私がホームステイしたお家にいたアニータという女性は一番私のそばに居て世話を焼いてくれました。そんな彼女はよくよく聞いたらその家の家族ではなく親戚の方で、漁師の仕事で忙しい両親に変わって子どもたちの食事や小さい赤ちゃんの世話をしていました。彼女は朝、子どもたちを学校に送り出し、その後すぐに近くにある自分の実家に戻り今度はそのうちにいる父親や親戚たちのご飯を用意して、洗濯をする…そんな生活を当たり前のようにこなしていました。貧困の連鎖が続く中で、アニータとその家族のように自分を支えてくれる家族を尊敬し、親戚どうし近くに住み、それぞれの生活を少しずつ支え合いながら共存している姿を見て、彼らの中には負の連鎖に負けない「感謝の連鎖」もまた続いているのだと強く感じました。
私は今までボランティアという言葉に対して「助けてあげる」「偽善者」「自己満足」といった印象がありボランティアそのものが好きではなかった。NGOやNPOに対してもやはりそういった印象があり、最初はこのツアーに参加するべきかどうか迷った。私は日本では考えられないような生活を体験したい、発展途上国で何が起きているのか自分の目で実際に見てみたい、それだけを目的として参加した。しかし、結果としてこのツアーで一番考えさせられたことは支援の形だった。
食べ物やお金やモノを与えることは一つの支援の形であり即効性もある。しかし、長期的に見た時にそれは本当の支援とは言えないと思った。グレマーさんの話の中で「大切なのは意識を変えることだ。」という言葉があった。私の中で一番印象に残っている言葉だ。よりよく発展していこうとしていく中で貧困、学校、ごみ、トイレ、医療等多くの問題を抱えているが、支援だけで解決するのは当然無理であるし、現地の人たちが問題意識を持って共に動いていくことが必要不可欠である。問題意識を持っていないと与えられたお金やモノも上手く生かせない。明日になればまた潮が満ちてゴミだらけになってしまう干潟を、地域の住民の方と日本から来た私たちが一緒に泥だらけになりながら、ゴミ拾いをすることも「地域の住民の方の意識に働きかける」という点で無意味ではなかったのだ。
私のホームステイした家には、冷蔵庫も、コンロも、トイレも、机もありませんでした。ホームステイ先のお父さんは漁師、お母さんはサリサリストアで店に立ちながら洗濯、親戚の子どもの子守、食事作りをしていました。お姉さんは夜に働きに出るため、昼夜逆転の生活を送っていました。それぞれまじめに一生懸命働き、忙しいに違いありませんでしたが、「もっと食べなさい」「気をつけてね。滑りやすいよ」と、掛けてくれる言葉はすごく暖かく、とても素敵な家族でした。ホームステイは3日だけですが、私はもう1つの家族の一員になりました。(省略)
海の汚染は、漁村にとって大きな問題でありますが、「貧しい」という区分に入る人々が、自分たちの地域を自分たちの手で変えようとするパワーを、私は感じました。私のそれまでのイメージでは、「高学歴で、時間的にも金銭的にも余裕のある人々」がこのような活動をしている、というものでしたが、ここでは、そこに住む人が、自分自身で信念を持って活動していました。
ここでの経験は、世界の問題のほんの一部でしかないといえます。また、自分の見方というものも、これから大きく変わっていくことでしょう。けれども私にとっては、大きく、貴重な経験でした。まずは、自分にできる、地道なことから、取り組んでいこうと思います。そして、自分の道を自分で狭めずに、あらゆることに挑戦し続けていこうと思いました。
思うことがたくさんありすぎて、9日間なんて短いかもしれないですが、初めてだらけの私にとっては、とてもとても濃くて長い長い日々でした。こうしてまとめていても相変わらず一つ一つ挙げるとキリがなくまとまらないですが、一つはっきりと思ったことは、どんな場所でも、日本でもフィリピンでも、セブでもマニラでも、お店でもゴミ捨て場でもセンターでも村でも、それぞれの場所で、今こうしているときも一人一人生活していて、それが世界なのだなあということです。今はまだもやもやしていますが、ふとした時に今回見てきたことが、きっと私を励ましたり後押ししてくれるときが来る気がします。
子どもと関わる機会があることが、今回の私にとっての大きな決め手でしたが、改めて、更に、子どもが大好きになりました。(抜粋)
「すごく楽しかった!!!!!!!!」この1言につきます!!!現地に入り込んで生活してみたい、貧困の実態を自分の目で見てみたいと思いこのスタディーツアーに参加しました。行く前は治安が悪いんじゃないか・・・とか、体調悪くなるんじゃないか・・・などの不安があったのですが、行ってみたらもう南国の気候と陽気で明るいノリに溶け込み現地の生活を満喫していました!セブの貧困地域に滞在させてもらったのですが、子供たちがほんとにかわいい!なついてくれる!おうちの家族も本当に親切で、毎日美味しご飯を作ってくれてご飯を食べている時はハエが来ないように棒を振り回してくれたり、今日何してたのー?などのコミュニケーションもたくさんとれて、帰り別れるとき号泣でした。井戸の水汲み・お風呂は水浴び・薪割り・3帖くらいのところでお家の人といっしょに寝る・日曜のミサみたいなものも参加させて頂くなど、すごく現地の習慣を使って生活して現地に入り込んだ生活ができました。(抜粋)
今回のメインテーマはトイレ建設についてでした。各家にはトイレが無く、小さい子どもたちは川やその辺で、大人はマングローブ林の中で穴を掘って排泄しているのだそうです(私たちツアー参加者は、1つだけあるトイレを順番に使わせていただきました)。また、体を洗うのも、周りに囲いが無い井戸です。女性は服を着たまま体を洗うのですが、若い女の子たちにはとても恥ずかしいことでしょう。住民全員にとってのプライオリティは高く無いかも知れませんが、一部の住民にとってはとても大事な事。これを皆で話し合えたことは良かったのではないでしょうか。(省略)
今回スタディツアーに参加して、特に良かったことは、毎晩ツアー参加者とお世話してくれる大学生、代表のグレマーさんとその日の経験をシェアする時間があり、他の方からコメントを貰えたことです。いま日本に帰国して振り返ると、たくさんの知らなかった新しい物事を見て感じて、脳がものすごい勢いで記憶しているけれど、それをどう評価すればいいのか分からなかった状態だったのだと思います。それをそこに住み、自分たちの状況を一番よく分かっている大学生とグレマーさんたちから解説してもらったり、彼女たちの気持ちを話してもらったりすることで、自分の中で腑に落ちることができました。(抜粋)
日本からの環境対策の支援は有意義なものになりやすいと感じた。現に、JICAがセブ市と協力して廃棄物の再資源化プロジェクトを行っている現場では、その支援の有効性が感じられた。
各地域レベルでは、①住民の方々が行政(バランガイ)のごみ収集システムの存在を知らずに居住エリア内の空きスペースにごみを廃棄している、②プラスチックごみを野焼きしている(大気中に有害物質が出ている可能性が高い)、③生活排水やHuman Wasteが直接川に排出されている、といった問題が存在することを認識した。(省略)
以上、真面目に書きましたが、勉強になっただけでなく、笑いに満ちた楽しい旅であったことを申し添えておきます。明るい笑顔の子ども達や冗談好きな大人達、個性豊かなツアー参加者の皆様に元気をいただきました。
・ダンプサイト
マニラのスモーキーマウンテンは有名でよく知っていましたが、セブにもあちこちにダンプサイトが存在していることは、スカベンジャーとして生活する人々の存在も初めて知りました。
そこで生活する人々は、何十年にも渡ってゴミから生活の糧を得ているとのことでしたが、今後ゴミのリサイクルや処理方法の見直しなど、システムの変革は避けられない中、彼らの生活をどのように担保するべきなのか。自分には解りかねます。
・マイクロファイナンス
マイクロファイナンスの活動が徐々に広がり出していることに驚きました、まだまだ不安定なこともあると思いますが、このサイクルが安定して回っていくことを望みます。
他の国や団体での実施例も調べてみたいです。
・トイレ設置の是非に関する意見交換
トイレの設置に関しての意見交換にも参加させて頂きました。世代や立場で皆さん色々なご意見があるようでした。
資金も有限ですから、各自の意見をぶつけて話すことが一番大事だと思います、我々の存在がこの様な場を設けるよい機会になったなら幸いです。(抜粋)
ファミリーインタビューでお話をお聞きした時に、ここは本当に様々なフィリピンの社会問題が凝縮されている場所なのだと改めて感じました。地方の職の少なさ、職を求めてマニラへの出稼ぎ、マニラでの職不足、生計を立てるためにスモーキーマウンテンに吸い寄せられる現状、寄付金・支援金として受け取ったお金が必要なところに回っていないのではという疑惑、コミュニティのつながりの弱さによる治安の悪化。一緒に遊んだ時は無邪気にしていた子どもたちも、将来、スモーキーマウンテン出身ということで差別され、教育を受けたとしても彼らの両親と同じようにごみ山で生計を立てることになってしまうのではないか、そんな不安もよぎりました。ただ、案内してくださった方、私たちに対応してくださった方の笑顔はフィリピーノらしい明るく朗らかな笑顔で冗談好きで、他のフィリピンの地域とも全く変わらない温かさがありました。その温かさにほっとしました。(抜粋)
やはり実際に見て触れて感じることがいろいろありました。たいていのことには驚かないつもりでしたが、ごみの中からあれほどきれいに使えるカバンなどが出てくることにはかなり衝撃を受けました。(割愛)ここ1年ぐらい私が参加している国際理解教育の研究会では「幸福とは」をテーマに様々な幸福感について考えています。「国際理解教育がなんで幸福論を?」と思われるかもしれませんが、グローバル化が進む中で、自分たちが何を目指すのかを考えると幸福の定義が必要になってくるのです。幸福にはいろいろな形や考えがありますが、
最終的には健康で安心に自分の器にあったところで生活できることではないかと思えてきています。でも、自分の
器に合うというところがなかなか難しく、足りないところで葛藤がおきます。フィリピンの人たちも生活環境(イ
ンフラなど)の改善は必要ですが、この環境だから幸せでいられることもあると思うので、その両立は一律には行
かない難しい問題だと思います。(抜粋)
もっとNGO のやっていることや援助資金の流れなどを知りたいと思い、た
またま冬休みと同時期にあったこのスタディツアーに参加させてもらうことになりました。
フィリピンの貧困地区や問題地域を回りながら視察とミーティングで理解を深めるこのツアーはすごく自分にとって有意義なものになりました。フィリピンの現状問題と、それに対するNGO の役割などを少し知れた事はもちろんよかったですが、何より考えさせられた事は、前に書いた参加動機以外のことで、HAPPINESS についてです。
...略...
このツアーに参加して、いろんな人と出会い、話しをして、幸せについて考えさせられながら子供たちやみんなか
らハッピーパワーみたいなものを貰えて、とてもよかったと思います。またこれからの自分の社会貢献についてど
うしていくかという考えに役に立つものと思います。(抜粋)
特にホームステイが心に残っています。他の国でもホームステイをしたことがありましたが、フィリピンでの生活は飛びぬけてワイルドなものでした。トイレはお隣さんに借り、お風呂は井戸で水を汲んで水浴びをし、おうちの床は土で、二段ベッドで4人で寝る。初めは居心地悪くも感じましたが、慣れていくうちにむしろすがすがしい気持ちになりました。...略...「インダイ」といういつも冗談を言いながらケラケラと楽しそうに笑っている女性が、自分の身の上話をしてくれました。中学生くらいの歳から家族のために働き始め、つらい仕事を続けていたこと。毎日泣きながら神様の助けを願っていたこと。そして、その話のあとに言っていたのが「There is no reason to be sad」―悲しくなる理由なんてない。ということでした。苦しいことを経験してきた彼女だからこそ言える言葉で、とても深みがありました。彼女に限らず、フィリピンの人たちは、苦労も多いであろうに、いつも「HAPPY」というオーラを全身から出していて、とても魅力的でした。こうやっていろんな人に会って、その人の人生や価値観を知る、これが旅の醍醐味だし、私が求めていたものだと思います。
マニラではゴミ山は過去のこととように移りました。運ばれてくるゴミの量や臭気は多く感じましたが、想像していたよりはきれいでした。町全体を歩いてみると、ほとんどの家の前でゴミを洗っていたり、それを干していたり。この町全体がゴミを収入源として生活していることがよくわかりました。セブのゴミ山は想像していたもの、いえ想像していた以上の景色がありました。高さは20メートルくらいあるでしょうか。それが遠く遠くまで及んでいて私が見たところからは終わりが見えませんでした。とてもすごい悪臭で、そこに来るまでも臭いがしていました。またその山のすぐそばに家がたくさんあること、住んでいる人達の話を聞いているときに何度も何度もゴミが運ばれてきたことに驚きました。さらに驚いたことは、そこで生活している人達の意識でした。マニラでもそうでしたが、彼らはそこに住むことを“嫌”と感じていなかったのです。はっきり言って私からみたら、とても生活できるような場所ではありません。家という建物があっても、悪臭、ゴミからでる汚い益、有害物質、そしていつ崩れる、火事になるかわからない現状。しかし彼らにとっては、生まれ育った、または住み慣れた“自分達の町“なのです。そしてゴミが彼らの大事な収入源なのです。なんとも言えない気持ちでした。このような状況を生んでいる国のシステムが悲しかったです。(抜粋)
フィリピンの貧困はメディアでたくさん取りあげられ、たくさんの支援が入っているそう。しかし、行政がうまく機能せず、お金や恩恵が貧しい人にまで届かない現実も
ある。ゴミ山に住む人々の生活をよくしようと、住むところを用意しても、生活が続かずまたゴミ山に戻ってくるなど、彼らの本当に必要な支援になっていないこともある。そして、食べ物などをあげるだけの支援は一時的なもので、長期的な支援にならない。本当に必要な支援は”経済的な自立を支えること”など、現地の人の話や、参加者との情報交換の中で、フィリピンの支援の現実を知ることができました。そして、フェアトレードやマイクロファイナンスなど、私が今まで知らなかった自立支援について学び、今うまく機能し始めている様子を自分の目で確かめることができました。このように約1週間の現地視察会でたくさんの経験をすることができ、たくさんのことを学ぶことができました。
そして、さまざまなところで活躍されている参加者の皆さんと出会い、たくさんの考え方や生き方を聞くことも良
い経験となりました。(抜粋)
(抜粋)今回初めてホームステイを体験させて頂きました。ケイラゼルちゃんという13歳の女の子と、彼女の友達のカミルちゃんが、いつも一緒にいてくれて、フィリピンの生活について教えてくれたり、いろいろな話をしました。ホストマザーやホストシスター達も、とても親切に接して下さいました。食卓は屋外だったので、手で払っていないとハエがたかってきたり、シャワーはなく、水を桶で浴びたり、お手洗いも桶の水で流したりと、日本での生活と比べたら、衛生的に心配になる点や不便な点はたくさんありましたが、全く苦痛に感じなかったのは、ホストファミリーとの生活が楽しかったおかげかもしれない、と思います。
(抜粋)観光地や高級リゾート地として人気を集めているセブ島。一方でゴミの処理問題や焼却施設、広がるゴミ山などの問題も抱えている。そこで毎日を生きている人々がいるという現実。政府の力や外国からの援助でゴミ山をなくせばいい。言うのは簡単だけど、実際に現地の状況をみるとそれが本当に正しいのわからなくなる。わからないけど真剣に考えてみる。考えるって本当に大切。
村への入り口も、片方は政府の開発で作られた新興住宅、もう片方は開発されていない現地の人の住む集落へと続く道。フィリピンの二面性を表しているようで印象的だった。
ホームステイ先では、子供たちが本当によく働く。また、自分をゲストとして扱おうと、いつもコミュニケーションを取ろうとしてくれたのは、本当にありがたかった。毎日接する中で現地の言葉も沢山覚えられた。
ホームステイ先の子供たちの将来の話。親の子供たちへの思い。とっても真剣に話してくれるから、英語もセブ語も全然わかんないまま行ったけど、伝えたい。思いを聞きたいって必死に会話した。
今回の旅はコミュニケーションの旅だった。もっとフィリピンのこと、現地の人のことが知りたくなった5日間だった。
(抜粋)3日目の午後、2グループに分かれて個別訪問。最初は、4人目の赤ちゃんが生まれたところという若い奥さん。なんとなく疲れた表情でしたが、それでも快く初対
面の外国人の不躾な質問に答えてくれました。
いろいろ話しているうちに、実はちゃんと入籍しているカップルの方が少ないことが分かりました。役所に登録する手数料が払えない。なので、本当は夫婦ではなく、「パートナー」なんだそうです。
今一番の悩みごとは?と聞いてみると、他の家庭でも判で押したように「経済的な問題」。月収が2~4000ペソ(5000~10000円)ぐらいで、家族4人、5人あるいはそれ以上を養っているので、いくら物価が安いフィリピンでもこれは、大変でしょう。当然、借金のことも気になるようです。
そこで最後に「あなたは今、幸せですか?」と聞いてみました。もう間髪置かず「幸せ? 当ったり前でしょ!」理由はこれまた同じで「だって、子供がいるじゃ
ない。」そ~か~。だからみんな貧乏暮らしでも笑ってるんや。
ホームステイ先の子が通う公立校を見学しました。そこは小〜高校生まで約5000人が通う、大学のような雰囲気の学校で、生徒が収まりきらないため午前と午後の二部制をとっています。フィリピンの公立校は授業料が無料なので就学率は高めですが、教材費などが払えず途中退学してしまう子も多く、小学校の卒業率でも7割程度です。週に一度給食を配給するなどして学校に来てもらう取り組みもしているようですが、教室・教師・教科書不足など多くの問題が感じられました。
ホームステイでは当たり前が当たり前ではないことにたくさんぶつかりました。お
風呂はなく、井戸から水を汲んできて服を着たまま浴びます。トイレへも水を持って いき、水圧で流します。寝るときには天井から星空が覗いていました。日本では見ら れない数の星が空を覆っています。そんなシンプルな生活です。日本は物が溢れてお り、それが余計に複雑に絡み合って人々を悩ませているのではないかと感じました。 シンプルな生活には、物のありがたさや自然との共生の仕方を教えてもらいました。 村の方々やホストファミリーはよそ者ではなく仲間のように接してくださいました。 別れの際にホストファミリーのお母さんが“貧しいけど私たちは幸せです。いつでも あなたの家に戻ってきてください。”と涙を流してくださいました。日本とかけ離れ た気候や生活で辛いと感じたこともありました が、幸せな気持ちでいっぱいになりました。この 家族を離れるのが辛くてしょうがありませんでした。(抜粋)
セブの生産者グループのリーダーで、前回のツアーでもお世話になったグレマーさんは、教会の牧師さんで、大変真面目でやさしい方で、こういった方が生産者グループのリーダーというのは大変頼もしいとおもいました。今回はツアーの途中に日曜日があったため、礼拝も見学させていただいたのですが、教会はギターやドラム(正確にはドラムとして使える箱)があるという、大変フランクな雰囲気の教会で、グレマーさんも普段着で演説をしていました。普段は大人しいグレマーさんですが、このときは大変エネルギッシュな語り口で、パワーに圧倒されました。自分は英語ができないので、代表の成瀬さんに大まかな意味を教えていただいたのですが、日本のような先進国は物が豊富だが幸せな人でない人もおおく、セブの人たちは物がなくてもハッピーな人が多いということを話していたそうで、この部分は物が豊でありがら自ら命を断つことが多い日本の現状を考えると納得できるものでした。物質的な豊かさのみを追求して、先進国の人たちは、なにか大事なものを忘れているのかもしれません。(抜粋)
実は今回のツアーで4回目のフィリピンでした。 最初のきっかけは2年前にルソン島北部で植樹ボランティアに参加したことでした。
それまで海外に行ったこのない僕にとって、フィリピンのイメージ は何となく治安が悪くて怖いという印象だけを勝手に持っていました。
しかし、実際に行って学んだことは、どんな人でも国でも色々な魅 力的な面や悪い面をもっている。それは新聞やテレビからの一方向か らの情報で知るには不十分、自ら行って、見て感じるのが唯一の方法 だということです。
少なくとも自分がみたフィリピンという国はそんな一面的な印象では語れない場所でした。
今回のツアーに参加したのも漠然とではありますが、自分とはまったく違うバックグラウ ンドを持った人々の価値観や生き方について自分の眼で耳で知りたかったからだと思います。(省略)
パヤタスもタリサイも、地域の人たちが中心となり、フリースクールや教会で、主に就学前の児童を対象として読み書きの練習などをしており、教育への意識の高さがうかがえた。フィリピンも義務教育の間の学費は無料ではあるが、制服や交通費などの経費が負担になっていたり、親の仕事を手伝わなければならなかったりという理由で学校に行けない子どもたちがいるということは以前から知っていたが、今回、政府に届け出ていない(戸籍がない)ために教育を受けられない子どもたちもいるということを初めて知った。登録料を払えない家庭のために、地域のホールで無料の登録会が行われることもあるが、親が文字を書けないために子どもの登録をしていないということもあるということだった。問題の背景、貧困の世代間の連鎖について、あらためて考えさせられた。(抜粋)